2020年秋、全国的にクマ出没のニュースをよく見るようになった。時々キャンプやトレイルランもどきをする筆者も少し気になっていたので、浜松市内の目撃事例や対処法を調べてみた。
国内に生息するクマはヒグマとツキノワグマの2種類。どちらも浜松市動物園で飼育されているが、市内で野生に生息しているのはツキノワグマ。
ツキノワグマはもともとドングリ好きの臆病な動物。人が住む地域に出没してきた背景については様々な議論があるが、ここでは触れない。
市内のクマの目撃情報
2010年11月:北区引佐町
2010年11月:天竜区龍山町大嶺
2013年8月:浜北区麁玉
2019年4月:浜北区大平
2020年6月:北区三ヶ日町平山
2021年11月:天竜区佐久間町
2022年1月:天竜区山東
浜北区大平は、フルーツパーク北の新東名の高架下。他には2015年に医大近くで目撃という未確認情報も。これらが本当だとすると、普段の行動圏内で遭遇する可能性もゼロではない。
ちなみに浜松で熊と漢字で検索すると[くんま]地区がヒットする。ここもクマが出そうなのでややこしい。
クマと遭遇したら
クマへの対処法を調べると色々出てくるが、あるところでは良しとされているものが、別のところではダメとなっていたり、どれが本当なのか分からない。相手が生物であり、その時の状況にも左右されるため、正解が1つではないのだろう。
そのなかで今回参照したのは、米田一彦『熊が人を襲うとき』。図書館にも蔵書あり。米田氏は過去2000件の事故を調べ、自身も8回クマに襲われた経験の持ち主。一通り読んでざっくりとまとめてみた。
・親子のクマは特に危険。親離れ/子離れの訓練をすることがあり、攻撃がしつこくなる。
・遭遇事故は4月から増え始め11月から減る。ピークは5月と10月。
・背を向けて走って逃げるのが最も危ない。背を向けると「自分より弱い」と認識される。また、左右に動くものを攻撃対象にする習性がある。山のように足元が悪い場所では、すぐに追いつかれる。
・大声で威嚇することが有効な場面が多い。(以前NHKで「ヒグマを叱る男」という番組を見たが、難易度高め)
・長いものを振り回すことが有効な場面が多い。応戦時は弱点の目と口の中を狙う。
・死んだふりは有効。うつ伏せになって腹を隠し、手で首回りを隠す「うつぶせ首ガード法」を推奨。ただし、怪我は覚悟。動かず耐え忍ぶと攻撃が止むことがある。
・熊撃退スプレーを正しく使用できるのが最強。ただし、これでも10%は失敗する。
前述したが、一冊のなかでも、同じ行動が良かったり悪かったりする場面も見られる。これらを踏まえて、自分で対処マニュアルを考えてみた。
0:スプレーを携帯する。(高額なので購入に踏み切れない)
1:クマの気配を常に意識する。(熊よけのラジオはこれを妨げる)
2:遠くにクマを確認したら、動きを最小限にして後ずさり。
3:クマが気づいて近づいてきたら、武器を探す&体を大きく見せる&威嚇する。スプレーがあれば正しく使用する。
4:接近戦になったら目や口内を狙って死ぬ気で戦う。
5:勝てないと判断したら、うつぶせ首ガード法で怪我を最小限にし、現代医療に望みを託す。(助けを呼ぶために2人以上の行動が望ましい)
投資ではないけど、対応はあくまでも自己責任で。